相続税申告の税理士報酬は遺産総額の0.5〜1.0%が相場!ケース別の目安や税理士を選ぶ4つの基準を解説
相続税申告の税理士報酬は『遺産総額の0.5〜1.0%』が相場です。
ただし、中には加算報酬が発生する場合もあるため、税理士へ依頼する前に目安を把握しておきましょう。
本記事では、税理士報酬の目安を当事務所の事例をもとに解説します。
相続税に強い税理士を選ぶ基準も解説しているので、税理士の選び方がわからない方も参考にしてください。
<この記事の監修者> 吉本 貴幸(よしもと たかゆき) 税理士法人吉本事務所 代表社員 税理士・行政書士 大学卒業後、1998年に現在の税理士法人の前身である個人税理士事務所に入所。2021年10月より現職。法人、個人事業のクライアントや相続税、贈与税の申告に関わる一方、税理士法人関連会社の社会保険労務士事務所、行政書士事務所、保険代理店のマネージメントにも携わる。経営に関する総合的な知識のもと、税務申告のみならず、事業運営・起業・法人設立のアドバイスも得意とする。税理士法人関連7サイトの総編集長・監修者として、最新の税務情報発信に務めている。 |
相続税申告の税理士報酬は『遺産総額の0.5〜1.0%』
相続税申告の税理士報酬は、遺産総額の0.5〜1.0%が相場です。
相続財産や状況によって変動するため、必ずしもすべてのケースが目安の範囲に留まるわけではありません。
また、加算報酬の金額次第では、遺産総額の1.0%を超えるケースもあります。
税理士報酬規定は現在廃止
現在、税理士報酬規程は廃止されていますが、2001年の税理士法改正までは規定をもとに税理士報酬が設定されていました。
廃止以降は税理士事務所が独自の基準を設けており、各事務所によって料金設定が異なります。
目安を踏まえて、料金設定が適切な税理士事務所を選ぶことが大切です。
【相場一覧】相続税申告の税理士報酬
遺産総額別の税理士報酬の相場は、以下の通りです。
遺産総額によって金額に大きな差があります。
遺産総額 | 税理士報酬 |
5,000万円 | 25〜50万円 |
6,000万円 | 30〜60万円 |
7,000万円 | 35〜70万円 |
8,000万円 | 40〜80万円 |
9,000万円 | 45〜90万円 |
1億円 | 50〜100万円 |
1億5,000万円 | 75〜150万円 |
2億円 | 100〜280万円 |
2億5,000万円 | 125〜250万円 |
3億円 | 150〜300万円 |
【税理士報酬の目安】当事務所の事例
当事務所の遺産総額5,000万円、1億円、2億円の申告事例をもとに税理士報酬の目安をご紹介します。
注意点として、同じようなケースでも状況次第で税理士報酬が大きく異なる場合がある点にご理解いただくようお願いいたします。
遺産総額5,000万円の税理士報酬
遺産総額5,000万円の一般的な事例は、以下の通りです。
相続人 | 配偶者/子ども2人 |
主な財産の種類 | 自宅の土地・建物3,000万円(京都市)、預貯金1,500万円、有価証券500万円 |
税理士報酬額 | 410,300円 |
遺産総額は同じですが、以下の事例のように相続人や土地の数が増えると報酬額が少し高くなります。
相続人 | 配偶者/子ども5人 |
主な財産の種類 | 自宅の土地・建物2,000万円(京都市)、別宅の土地・建物1,000万円(大津市)、預貯金800万円、有価証券500万円、国債700万円 |
税理士報酬額 | 551,100円 |
遺産総額1億円の税理士報酬
遺産総額1億円の一般的な事例は、以下の通りです。
相続人 | 子ども2人 |
主な財産の種類 | 自宅の土地・建物5,000万円(京都市)、貯金3,000万円、有価証券1,000万円、投資信託1,000万円 |
税理士報酬額 | 685,300円 |
先述の事例と同様に、以下の事例では相続人や土地の数が増えたことで報酬額が高くなり、さらに書面添付制度の適用で加算報酬が発生しています。
相続人 | 配偶者/子ども5人 |
主な財産の種類 | 自宅の土地・建物5,000万円(京都市)、貸家の土地・建物2,000万円(京都市)、預貯金1,000万円、有価証券2,000万円 |
税理士報酬額 | 974,600円 (書面添付制度の加算報酬66,000円含む) |
遺産総額2億円の税理士報酬
遺産総額2億円の一般的な事例は、以下の通りです。
相続人 | 子ども2人 |
主な財産の種類 | 自宅の土地・建物5,000万円(京都市)、貸マンションの土地・建物9,000万円(京都市)、別荘の土地・建物4,000万円(神戸市)、預貯金1,000万円、有価証券1,000万円 |
税理士報酬額 | 1,326,600円 (書面添付制度の加算報酬88,000円含む) |
以下の事例では、遺産分割が申告期限に間に合わなかったことから、あらためて還付申告を行いました。
還付申告の報酬が加わる分、税理士報酬が高くなっています。
相続人 | 配偶者/子ども3人 |
主な財産の種類 | 自宅の土地・建物5,000万円(京都市)、貸マンションの土地・建物1億3,000万円(京都市)、預貯金1,000万円、投資信託500万円、国債500万円 |
税理士報酬額 | 1,777,160円 (書面添付制度の加算報酬88,000円/期限内の申告1,269,400円+還付申告(1,269,400×40%)507,760円) |
税理士法人吉本事務所の料金表(相続税)
当事務所の料金は、以下を参考にしてください。
税務相談 | 30分5,500円 |
遺言書の作成 | 77,000円 |
相続税の試算 納税シミュレーション 節税対策の提案 | 110,000円 |
相続税申告 | (A)(B)(C)の合計額 (A)【基本報酬】110,000円 (B)【財産評価報酬】遺産総額×以下の割合 (C)【加算報酬】 |
お見積もりは無料で承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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【Q&A】税理士報酬に関するよくある質問
ここからは、税理士報酬に関するよくある質問にお答えします。
相続税申告の税理士報酬は経費にできる?
相続税申告の税理士報酬は、経費にできません。
事業に必要な費用には該当しないためです。
相続税申告の税理士報酬はなぜ高い?
簡単に説明すると、相続税の申告書を作成するには想定以上の手間がかかるためと言えます。
相続税申告書が100枚を超えるケースもあるほどで、ただ納税額を計算すればよいものではないのです。
また、正確に財産を評価し、相続人に有利な申告を行うためには専門的な知識と経験が必要であることも理由に挙げられます。
相続税申告の税理士報酬は誰が払う?
相続税申告の税理士報酬は、誰が負担してもよいでしょう。
一次相続(両親のどちらかが亡くなって発生する相続)であれば、配偶者が全額を負担すると相続税対策として効果があります。
税理士報酬は相続財産から控除できる?
税理士報酬は、相続財産から控除できません。
債務と葬式費用に限り、相続財産から控除できます。
税理士報酬は基礎控除額ギリギリでもかかる?
税理士報酬は、どのような場合でも税理士に依頼するとかかります。
相続税の有無ではなく、税理士へ依頼した作業に対してかかるためです。
※基礎控除額=3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
相続税申告に税理士が必要な理由とは
相続税申告は税理士に依頼せずともできますが、知識や経験がなければ本来より相続人の負担が大きくなってしまうことが第一の理由です。
税理士報酬がかかることを踏まえても、税理士に依頼したほうがトータルでは負担を軽減できます。
また、税務調査で申告漏れを指摘されると、ペナルティとして追徴課税を受けるリスクもあるため、相続税申告は信頼できる税理士に依頼しましょう。
もちろん、相続税申告が誤って損(税額が過大)になっている場合でも、税務署は教えてくれません。
税務署が指摘するのは、誤って税額が過少になっている場合だけです。
税理士に依頼すべきケース
以下のような場合はより専門的な知識が求められるため、税理士に依頼すべきです。
・相続財産に不動産が含まれる ・相続財産に非上場株式が含まれる ・相続人の数が多い ・二次相続を控えている ・遺産総額が1億円を超える など |
相続税に強い税理士の選び方は、後ほど解説します。
相続税申告を税理士に依頼するメリット
相続税申告を税理士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。
・手間なく申告を終えられる ・相続税を正確に申告できる ・相続税の負担を軽減できる ・税務調査のリスクを減らせる ・安心して申告を進められる |
順に解説します。
手間なく申告を終えられる
相続税申告を税理士に依頼すると、手間なく申告を終えられるため、申告書の作成に追われることもありません。
相続税申告は、被相続人が死亡した日の翌日から10か月以内が期限です。
申告書を作成するには以下の作業が必要で、中には多くの時間がかかる場合もあります。
1.法定相続人を確認する 2.遺言書の有無を確認する 3.相続財産を確認する 4.相続財産を評価する 5.遺産分割協議を行う 6.相続税の申告を行う |
相続税を正確に申告できる
遺産総額が多くても状況が複雑でも、税理士へ依頼すれば正確に申告できます。
もし自分で申告を行い、内容が誤っていれば、修正申告を行わなければなりません。
相続人の意図的でなくとも、延滞税や加算税などのペナルティが発生する場合もあります。
相続税の負担を軽減できる
相続税申告を税理士に依頼することで、相続税の負担を軽減できます。
相続税の特例を活用すれば税額を下げられるほか、専門家の視点で遺産の分け方に関するアドバイスも受けられるでしょう。
なお、相続税の特例を活用しきれなかった場合は、余計に税金を納めてしまうことになります。
税務調査のリスクを減らせる
税理士に依頼した申告書には作成者である税理士が署名を行うため、税務調査のリスクを減らせます。
税理士以外が作成した申告書(税理士の署名がない申告書)は、信頼性が低いと考えられるためです。
税務調査が行われると追徴課税を受けるケースが多いことから、申告時には対策を検討すべきでしょう。
先述の通り、相続税申告が誤って損(税額が過大)になっている場合でも、税務署は教えてくれません。
税務署が指摘するのは、誤って税額が過少になっている場合だけです。
安心して申告を進められる
税理士は日常的にさまざまな事例を経験しているため、どのようなケースでも安心して申告を進められます。
精神的な負担も軽減できるのは、専門家を頼る大きなメリットでしょう。
相続税に対して不安がある場合は、まず税理士に相談してみるのがおすすめです。
相続税に強い税理士を選ぶ4つの基準
相続税申告を税理士に依頼する際は、税理士の専門性を確認することが重要です。
ここからは、相続税に強い税理士を選ぶ4つの基準を解説します。
相続税の申告実績が100件以上ある
すべての税理士事務所が相続税に詳しいわけではないため、相続税申告を税理士に依頼する際は最低でも100件以上の申告実績がある税理士事務所を選びましょう。
相続税に関しては1年のうち数えるほどしか対応しない税理士もいるので、税理士個人の申告実績は年間20件以上を目安にすると安心です。
注意点として、相談実績ではなく「申告実績」を確認しましょう。
税理士報酬が適正に設定されている
相続税申告の税理士報酬は遺産総額の0.5〜1.0%を目安とし、適正に設定されている税理士事務所を選びましょう。
税理士報酬が安い場合は、税理士の専門性が低い場合もあるためです。
また、料金設定を公開していない税理士事務所は、高額な税理士報酬を請求される恐れがあるため、避けたほうがよいでしょう。
税務調査のノウハウをもっている
可能な限り税務調査のリスクを減らすためにも、税務調査のノウハウをもっている税理士事務所を選ぶことも大切です。
税務調査率が1%以下であれば、税務調査の対策が十分に行われていると判断してよいでしょう。
また、「書面添付制度(申告内容に対する保証書のようなもの)」を導入しているかどうかも併せて確認してみてください。
アフターフォローが充実している
アフターフォローが充実している税理士事務所を選べば、申告を終えてからも安心です。
税務調査を100%避ける方法はないため、もし調査が行われる場合に対応してもらえるか、また二次相続の対策や相続財産の活用・売却などサポートの範囲を確認しましょう。
また、相続した不動産は名義変更の手続きが必要となるため、司法書士と連携している税理士事務所を選ぶとスムーズです。
相続税申告のご相談は税理士法人吉本事務所へ
相続税申告のご相談は、税理士法人吉本事務所へお問い合わせください。
当事務所には、年間20件以上の申告実績がある相続専門の税理士が在籍しており、豊富な経験をもとにお客様の有利な申告をサポートいたします。
また、相続専門の税理士以外に、社会保険労務士、行政書士、保険外交員が在籍しているため、相続の手続きに幅広く対応可能です。
お見積もりは無料で承っておりますので、詳しくは当事務所までお気軽にご相談ください。
・相続税はいくらかかるのか ・相続税の負担を軽減するにはどうすればよいか ・どのように遺産を分ければ負担を軽減できるか ・相続の手続きはどのように進めればよいか ・申告まで安心して任せたい ・相続税を現金で納付するのが難しい など |
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まとめ
相続税申告の税理士報酬は、遺産総額の0.5〜1.0%が相場です。
各事務所によって料金設定が異なりますが、一般的に以下のような場合は税理士報酬が高くなると言えます。
・相続人の数が多い ・土地の数が多い ・非上場株式がある ・遺産総額が1億円を超える など |
料金設定が適切な税理士事務所を選び、まずは見積もりを依頼しましょう。
相続税に対して不安がある場合は、相続税に強い税理士から具体的なアドバイスを受けるのがおすすめです。