住宅に関する所得税や贈与税の特例で混同しがちなこと
住宅に関する所得税や贈与税の特典には、所得要件があるものと無いものがあります。
また、相続後に適用できる特例には3年以内の期間付きのものがあります。
この3年以内には規定により微妙な違いがあります。
住宅に関する所得税と贈与税の所得要件と、相続後に適用できる所得税の特例の期間で、よく似たものを以下の表にまとめてみました。
●所得要件があるもの・ないもの
特例 | 概要 | 所得要件 | 所得要件の内容 |
住宅ローン控除 | 住宅の取得に係る銀行ローンの年末残高に一定率を乗じた金額を所得税から控除できる | あり | (令和3年度改正) 50㎡以上・・合計所得金額3,000万円以下。 40㎡以上50㎡未満・・合計所得院額1,000万円以下。 |
(令和4年度改正) 50㎡以上・・合計所得金額2,000万円以下。 40㎡以上50㎡未満・・合計所得院額1,000万円以下。 | |||
住宅売却売却3,000万円控除 | 居住の用に供していた家屋とその敷地を譲渡(売却)したときに、譲渡益が出た場合に税負担を軽減する | なし | --- |
住宅取得資金贈与 | 父母や祖父母などから18歳以上の子または孫が贈与により、住宅用の家屋の新築、取得または増改築等に充てるための金銭を取得した場合において、一定の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となる | あり | 合計所得金額2,000万円以下(新築等をする住宅用の家屋の床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の場合は、1,000万円以下) |
相続時精算課税贈与 | 60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子または孫が贈与を受けるときに、特別控除額が2,500万円まで(0%)、それを超えた部分に対して一律20%の税率で計算する制度。 | なし | --- |
●相続後に適用できる特例の期間
相続により取得した財産の譲渡(売却等)申告に関して相続税の取得費加算 | その相続税の申告書の提出期限の翌日から3年以内に譲渡 |
相続により取得した居住用財産の譲渡(売却等)申告に関する3,000万円控除 | 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡。 1/2に相続 ⇒ 3年364日 ⇒ 約4年 12/31に相続 ⇒ 3年1日 ⇒ 約3年 |
【寸評】
住宅を取得したり売却した場合には、所得税や贈与税の軽減措置があります。よく似たものでも、所得制限の有無や要件の期間の微妙な違いがありますので注意が必要です。
(2022年12月記載)
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